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コラム「オフ・ザ・ボール」 2009年12月1日[コラム「オフ・ザ・ボール」]

投稿日時:2009/12/01(火) 22:25


川崎フロンターレの完全なリーダーで日本代表でも試合によっては、キャプテンマークを巻く中村憲剛が言う「ほとんどが落ち込んでいる人生ですから」。

各世代の代表経験はなく、高校も都立高校出身の憲剛は、いつも壁にぶち当たって悩んでいた。その壁を1つずつ前向きに乗り越えてきた。

その秘訣は「現状を受け止め何をすべきか考えること」。また、「自分で考える癖がついているからこそ、ここまで来れた」と言う。もともと身体が小さくて足も遅かったが、上手くなりたくて毎日ボールの壁当てを続けた小学校時代。高校1年で15 4㎝。

練習でもぶつかっては飛ばされ、公式戦に出場することを「怖いから」と嫌がった。そんな少年が、「考える力」と「努力」で来年のワールドカップ南アフリカ大会に日本のキーマンとして挑む。

「トントンと活躍するのはプロでも一握り。壁に当たった時、考える癖がついていることが大事なんだ」。

憲剛が南アフリカのピッチでパスをさばき、ミドルシュートを決める姿を見たい。


                                                 K.H



コラム「オフ・ザ・ボール」 2009年11月1日[コラム「オフ・ザ・ボール」]

投稿日時:2009/11/01(日) 08:25

最近読んだある本(注)に大変興味深い内容が書かれていたので紹介したい。

本の中には「戦術的ピリオダイゼーション理論」というヨーロッパで注目されているサッカー理論が紹介されており、その理論を発案したヴィトル・フラーデ教授によると「サッカーとはカオスであり、かつフラクタルである」とサッカーの定義をしている。

カオスとは一般的に「混沌とした」、フラクタルは自己相似になっているものを指す幾何学の概念である。

ここまで読んで「なんか分からないな」と思う人も多いとは思うが、サッカーの試合はあまりにも多くの構成要素が相互に影響を及ぼしあっている複雑な事象であるためにこう定義したらしい。

「複雑なものを複雑なまま理解する」「大切な何か」を失わずにトレーニングすることを重要視し、「サッカーをサッカーのままトレーニングする」事を追求している。

本を読みながら「教育もカオスでありフラクタルである」と感じた秋の夜であった。


(注) 「テクニックはあるがサッカーが下手な日本人」   村松尚登著


                                        K.H


コラム「オフ・ザ・ボール」 2009年10月1日[コラム「オフ・ザ・ボール」]

投稿日時:2009/10/09(金) 22:15

好きな言葉は「気合い」。11 年前地球の裏側から渋谷幕張高校にサッカー留学した少年は、現在日本代表の要である。

来日前は日本のことをほとんど知らなかった日系三世は、日本での生活が始まると学校生活とサッカーに全力で取り組んだ。

日本語も必死で覚えた。手垢で真っ黒になった辞書は今でも手放せない。

卒業後J 1の広島へ、しかし外国人枠のため1 年で解雇されたが、あきらめずJ 2 の水戸へ。そこで才能が開花し浦和レッズへ移籍した。

「日本でお世話になった人に恩返しするには日本代表になるしかない」。2 00 3 年1 0月田中マルクス闘利王が誕生した。

代表の中心選手となった今でも青色のユニホームに袖を通すと最高に誇りを感じる。

代表に入る前はアパートで一人、君が代の練習をしていたという、日本人以上に日本を愛する闘利王が、W カップのピッチで活躍する姿を早くみたい。

                                                                                    K.H

コラム「オフ・ザ・ボール」 2009年9月1日[コラム「オフ・ザ・ボール」]

投稿日時:2009/09/06(日) 21:22


B君は中学からサッカーを始めた。少年団から始める生徒が多い中で、ボール扱いに苦戦していたが、トレーニングに黙々と取り組み、やり切ろうとする真摯(しんし)な姿勢は素晴らしかった。

3年生が引退するとレギュラーに定着したが、技術的にはまだまだだった。そんな彼が、1月に大ケガをした。完全に復帰するまで5ヶ月間かかった。

5ヶ月の間、松葉杖をつきながら彼は毎日練習を見学した。学総大会には間に合わなかったが、全日本Uー15東部大会は4試合に出場してボールを跳ね返し続け、県大会出場に貢献した。今でも彼はそんなにうまくない。しかし、信頼感は抜群である。

選手育成に定評のあるイタリアのプロチームの責任者が、選考の決め手は「頭と心・と強い意志」であると書いていたのを読んだことがある。やっぱり、最後はそこなんだなと改めて思う。

3年生が引退し、新チームとなった。1・2年の全ての選手が人から信頼される人になって欲しいと願う。


                                              K.H




コラム「オフ・ザ・ボール」 2009年6月1日[コラム「オフ・ザ・ボール」]

投稿日時:2009/07/21(火) 00:01


浦和レッズで今シーズンから高校3 年生の原口元気選手がレギュラーをとっている。

埼玉北部出身の彼は小学校の頃から有名選手であった。中学校からレッズのユース
チームに入り、今年のトップチーム昇格となった。ジュニアユースに入った頃は、「ディ
フェンスはしない」「パスが少しでもずれると追わない」など典型的なエゴイスティクな
選手だったという。

当時のコーチが粘り強くディフェンスとチームワークの大切さを説き、時には厳しく指導
した。全ては彼の将来のためであった。順調に成長した彼は開幕戦から登場し、とても
1 7 才とは思えない素晴らしいプレーを見せている。

才能や能力に恵まれているとややもするとわがままになることがある。エースがそうだ
とチームワークをとることが難しい。

学総大会がまもなく始まる。良い試合をするために必要なことは、フォアザチームに
徹することである。皆がチームのためにエゴを捨てて頑張る時、自ずと結果はついて
くる。皆で力を合わせて素晴らしい大会にして欲しい。

                                                  K.H



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